九龍城砦解体でネズミ数万匹大脱走?封印された極秘作戦の全貌
九龍城砦の消滅は、香港映画界にとっても巨大な転換点だった。解体直前の1993年、ジャッキー・チェン主演の傑作ポリスアクション『重案組』(邦題:新ポリス・ストーリー)では、取り壊し作業が始まっていた実際の城砦内部に爆薬を仕掛け、本物の爆破シーンを撮影するという破格のロケが敢行された。埃と瓦礫が舞い散る現場の生々しさは、スクリーンの枠を越えて当時の狂気を記録している。
その熱気は現在のアジア映画界にも受け継がれている。名匠ソイ・チェン(鄭保瑞)監督がメガホンを取ったアクション・ノワール『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』は、巨額の予算を投じて城砦の猥雑な路地と危険な質感を精緻に再構築した。血生臭い利権争いと、暗闇を這い回る害獣の気配すら漂う美術演出は、かつて実在した迷宮の空気感を圧倒的なリアリズムで現代に蘇らせている。