酒税改正で缶チューハイが主役に?知られざるRtd進化の裏側
RTDの進化を語る上で、アサヒビールが世に放った「未来のレモンサワー」の衝撃を無視することはできない。缶の蓋をフルオープンにすると本物のレモンスライスがふわりと浮き上がってくるこの商品は、従来の「液体を飲む」という行為を「五感で楽しむイベント」へと昇華させた。
店頭に並ぶや否や瞬く間に完売が相次ぎ、定価以上のプレミアム価格で取引される現象すら起きた。これまで缶チューハイに100円台の安さを求めていた層が、1缶300円近い価格設定でも喜んで財布を開いたという事実は、酒類関係者に強烈な教訓を残した。消費者が求めているのは単なるアルコール摂取ではなく、缶を開けた瞬間の香り、炭酸の弾ける音、そして視覚的な驚きを含めた「体験価値」そのものだったのである。