ジョーカーと道化師の違いとは?起源と映画に潜む狂気の真相を暴く
DCコミックスが生んだ稀代の悪役であるジョーカーは、1940年の『バットマン』第1号で産声を上げました。彼がなぜ常時笑みを浮かべたピエロのような姿で登場したのか、そのビジュアルには明確な元ネタが存在します。
原作者のビル・フィンガー、ボブ・ケイン、ジェリー・ロビンソンらが直接的な着想源としたのは、フランスの文豪ヴィクトル・ユーゴーの小説を原作とする1928年のサイレント映画『笑ふ男(The Man Who Laughs)』です。俳優コンラート・ファイトが演じた主人公グウィンプレンは、幼少期に人買いによって口元を切り裂かれ、死ぬまで笑顔のまま生きることを強いられた悲劇の男でした。
この不気味でありながらどこか哀哀とした「引き裂かれた笑顔」のビジュアルに、トランプのジョーカーの象徴性が融合し、バットマンの絶対的な対極としての犯罪界の道化王子が誕生しました。バットマンが「冷徹な規律と恐怖」で闇を支配するのに対し、ジョーカーは「予測不能な笑いと狂気」で秩序を解体するアンチテーゼとして設計されたのです。