【特別検証】巨大組織を率いた男の軌跡:稲川裕紘と「裏社会近代化」の真相、そして2026年・令和の解体現象
1992年に施行された暴力団対策法(暴対法)は、それまでの警察と裏社会の「暗黙の了解」を完全に打ち砕いた。稲川会をはじめとする指定暴力団は、事業活動の制限、事務所の開設・使用規制、資金の流れに対する監視といった未曾有の圧迫に直面する。
この危機に対し、彼は組織内の法務・防衛体制の強化を指示。法律の隙間を縫うような組織構造の改編や、表の経済人との提携関係の再構築など、警察の摘発をかわすための高度な情報戦を展開した。警察当局もまた、稲川会の中枢にターゲットを絞り、凄まじい締め付けを行った。法規制の波は留まることを知らず、後に全国で整備される暴力団排除条例へと発展していく土台が、まさにこの時代に形成されたのである。