『キリエのうた』小説ネタバレ結末!イッコの正体と映画の違いを徹底解剖
映画版では幻想的でミステリアスなファム・ファタールとして描かれたイッコですが、原作小説では底辺からのし上がろうともがき、破滅へと転落していく哀しき女性「広澤真緒」の半生が冷酷なまでに具体化されています。
真緒の家庭環境は悲惨を極めていました。母親の育児放棄と貧困から抜け出すため、彼女は若くしてパパ活や水商売に手を染めます。やがて「マオリ」と名乗り、結婚詐欺や裏カジノの顧客リストの横流しなど、危険な犯罪の深みへ足を踏み入れていきました。本物の資産家令嬢である「一条逸子」の戸籍を買い取り、偽りのセレブとして生きることで過去の自分を消し去ろうとしたのが「イッコ」の正体です。
イッコがルカをプロデュースし、懸命に売り込もうとした動機について、小説版では「金儲けの道具」という打算だけでなく、「唯一自分の本名(真緒)を知るルカに対する、純粋で歪んだ救済欲求」があったことが明かされます。しかし、過去の詐欺被害者や暴力団の追っ手から逃げ切ることはできず、イッコはルカの前から突如姿を消します。小説版の描写では、彼女は裏社会の人間に拉致され、非情な暴力の末に命を奪われるという凄惨な結末を迎えています。