馬車の時速は徒歩と大差ない?意外な移動速度と歴史の真実を徹底解剖
中世ヨーロッパから近世にかけての旅において、馬車による1日の移動距離は20〜30km前後が限界でした。これは、大人の健脚な旅人が1日に徒歩で進む距離(約30〜40km)と比べても、大差がないどころか、むしろ遅いケースすらありました。
中世の馬車の移動時間がこれほどかかった背景には、劣悪な道路事情があります。当時は道路の大半が未舗装の泥道であり、雨が降れば車輪が深く沈み込みました。車体のサスペンション(衝撃吸収装置)も未発達だったため、段差を無理に高速で進めば車輪や車軸が粉砕する危険があったのです。
馬は機械ではないため、数時間歩けば休息が必要で、水や飼料の補給も欠かせません。結果として、当時の馬車は「早く着くための乗り物」ではなく、「人間が背負えない重い荷物を運ぶ手段」としての役割が主でした。