メトロポリタン美術館の青いカバ「ウィリアム」の正体と愛される理由
古代エジプトの遺物であるカバ像が、なぜ親しみやすい「ウィリアム」という英国風の名前で呼ばれているのか。そのルーツは、1936年にイギリスの風刺雑誌『パンチ(Punch)』に掲載された1編のエッセイに遡ります。
著者のキャプテン・H・M・ローリーは、自宅のリビングにメトロポリタン美術館のカバ像のカラー複製品を飾り、家族のように親しみを込めて「ウィリアム」と名付けて崇拝しているというユーモラスな話を寄稿しました。このエッセイが大反響を呼び、読者の間で「メットの青いカバ=ウィリアム」という認識が一気に定着します。
美術館側もこの親愛に満ちたニックネームを歓迎し、公式にマスコット的キャラクターとして「ウィリアム」の愛称を採用しました。古代の厳格な美術品が、20世紀のユーモアを介して大衆に愛されるポップアイコンへと昇華した象徴的なエピソードです。