米1合の水加減で味が劇変!プロが明かす極上の炊飯科学と黄金比
そもそも、なぜ私たちはグラムやミリリットル全盛の時代に「合 (単位)」を使い続けているのだろうか。歴史を紐解けば、1合は日本古来の尺貫法における体積の単位であり、1升(10合)の10分の1にあたる。明治時代に1升が約1.8039リットルと定められたことで、1合は約180.39ミリリットルと規定された。
1951年に制定された日本の計量法により、商取引において尺貫法を用いることは原則として禁止された。現在、スーパーの店頭で米が「キログラム」単位で販売されているのはこのためだ。しかし、家庭用炊飯器の内釜の目盛りや付属の計量カップには、今なお堂々と「合」が刻まれている。
ここに現代キッチンの落とし穴がある。付属の透明カップで米をすくう際、すり切り一杯にする力加減や米の詰まり具合によって、重量に5〜10グラムの誤差が平気で生じてしまう。計量法が排除したはずの伝統単位が、家庭内の計量誤差という形で日常に潜んでいる。プロがカップではなくデジタルスケールによる重量計量を強く推奨するのは、この物理的なブレを排除するためだ。