パリ熱狂の伝統柄が完全復活!千鳥格子で極める最新モードの掟
この柄の歴史を紐解くと、階級や国境を越えて美を追求した先人たちの情熱に行き着く。もともとスコットランド低地地方の羊飼いが愛用していた実用的な織物は、やがてハウンドトゥース(千鳥格子)として英国の上流階級を魅了した。その立役者となったのが、稀代のウェルドレッサーとして知られるウィンザー公(エドワード8世)である。彼の型破りで優雅な着こなしによって、柄はブリティッシュ・トラディショナルの象徴としての地位を確立した。
だが、その洗練を決定づけたのはフランス・パリの審美眼だった。マスキュリンな素材をいち早く女性服へと解放したココ・シャネルの手腕、そしてエレガンスの極致を追求したクリスチャン・ディオールの情熱。とりわけクリスチャン・ディオール社は、1947年の記念碑的コレクションにおいてこの柄をアイコニックなモチーフとして採用し、名香「ミス ディオール」のパッケージにまでその幾何学模様を刻み込んだ。野性味ある英国の伝統が、パリのクチュール技術と出会った瞬間、不朽の名作が誕生したのだ。