民藝の父・柳宗悦が解き明かす「用即美」と無名職人が生む究極美
一人の思想家の思索は、実作業を担う優れた陶芸家たちとの共鳴によって巨大な社会運動へと発展する。中でも作陶の情熱を共有した浜田庄司と河井寛次郎の存在は決定重だった。
彼らは日本各地の窯場や工房を巡り、失われつつあった手仕事の美を採集し、その価値を社会へ問い続けた。自作の作品においても無銘を貫き、風土に根ざした素材と技法に徹底してこだわった。この強固な連帯こそが、全国的な民藝運動の原動力となったのである。
陶芸、織物、木工、漆器。分野の垣根を越えて集まった志を同じくする仲間たちは、流行を追わず、風土と手仕事の対話を重ねた。その熱量は、都市化の波に洗われつつあった日本各地の地方文化を再発見する運動としても機能した。