名優・中村嘉葎雄の凄みと伝説!時代劇と名作群に刻んだ魂の足跡
重厚な歴史絵巻を描いた大作『徳川家康 (NHK大河ドラマ)』において、彼は戦国随一の風雲児・豊臣秀吉(木下藤吉郎)役を演じ、日本中のお茶の間を釘付けにした。
底抜けの明るさと人たらしの愛嬌を見せながら、権力の頂点へ登りつめるにつれて冷徹な狂気と老いの悲哀を滲ませていく秀吉の変遷。そのグラデーションの見事さは圧巻の一言だった。単なる成り上がりの武将ではなく、人間の尽きない欲望と孤独の深淵をこれ以上ない説得力で表現した。
主役を食うほどの存在感を示しながらも、作品全体の重厚なトーンを一切崩さない。円熟味を増した彼の演技力は、大河ドラマの歴史においても屈指の名場面を数多く生み出した。