なべやかん替え玉事件の真相と爪痕、父の暴走とたけしが救った半生
事件の発端は極めて不可解な内部告発だった。明治大学商学部の入試において、あらかじめ手配された替え玉受験者が何食わぬ顔で試験を受け、見事に合格を勝ち取っていたのだ。しかし、不正は完全犯罪にはならなかった。現場の違和感や関係者からの情報提供が重なり、新聞各紙や週刊文春をはじめとする週刊誌が猛烈な追及を開始する。
当時、大学入試は熾烈を極める「受験戦争」の真っ只中にあった。何万人もの受験生が血の滲むような努力を重ねる裏で、コネと金、そして他人を利用して合格を掠め取ろうとした行為は、苛烈な怒りを買った。メディアは連日、犯人捜しと手口の解明に奔走。大学側の管理体制の甘さとともに、白日の下に晒された手口の稚拙さが、かえって世間の好奇と軽蔑を煽ることとなった。