奈良・葛城郡の秘境へ!現地取材で判明した古代の歴史秘話と独占名所
標高約950メートルの山頂を目指して急斜面を登ると、肌を刺す冷気が空気を一変させる。雄大な葛城山は、修験道の開祖として名高い役行者が厳しい修行を重ねた伝説の山だ。彼はこの山の巨石や滝を修行の場とし、自然の力を身に宿す秘法を編み出したと伝えられている。山中に点在する経塚や岩屋には、今も山伏たちの法螺貝の音が響き渡りそうな緊張感が漂う。
修験者たちが命がけで峰々を駆け巡った修験道場としての役割は、中世以降も脈々と受け継がれてきた。険しい山道を辿った先に突如現れる断崖絶壁は、下界の日常を一瞬で忘れさせるほどの高度感と神秘性を放つ。自然に対する崇敬と恐怖が背中合わせにあった古代人の精神世界を体感するには、この山肌を自らの足で歩く以上の方法はない。