奈良・寺川の水辺に佇む祈り 2026年春、文化財再発見の波に乗る「地蔵 寺川」巡礼の今
京都市内や奈良公園周辺が連日大勢の観光客で賑わいを見せる中、寺川周辺に漂う静寂は際立っている。大掛かりな土産物店や大型バスの駐車場はない。あるのは小さなカフェ、地元の採れたて野菜を売る直売所、そしてどこまでも広がる田園風景だけだ。
「観光客を大量に呼び込むのではなく、この土地の日常や歴史を深く味わってもらいたい」。そう語るのは、川沿いで古民家を改装した休憩処を営む地元住民だ。水辺の平坦な遊歩道を自転車でめぐるサイクルツアーも人気を集めており、環境に負荷をかけない滞在型の経済循環が着実に生まれつつある。