なすの天ぷらは切り方で劇的に変わる!扇切りと隠し包丁の極意
かつて江戸前の天ぷらといえば魚介類が中心であり、野菜は脇役に過ぎなかった。その常識を覆し、野菜天ぷらを芸術の域にまで高めたのが東京・銀座の名店「てんぷら近藤」の店主、近藤文夫氏だ。
近藤氏の調理法において、天ぷらは単なる「揚げ物」ではない。衣の中で食材を蒸し上げる「脱水縮小と加熱の同時進行」である。ナスに対しても、素材が持つ水分を適度に残しながら余分な水蒸気をどう逃がすかという点に極限までこだわる。水分を閉じ込めすぎれば衣が内側から湿気り、逃がしすぎればパサつく。絶妙な包丁仕事によって内部の水分量をコントロールするアプローチは、多くの料理人に多大な影響を与え続けている。