なぜ亀の寿命は桁違いなのか?200年生きる謎と最新の長寿飼育法
カルチャーの世界でも、亀の超越的な長寿は強いアイコンとして描かれてきた。特撮映画に登場する守護神ガメラは古代文明から眠り続ける不滅の存在として描かれ、ディズニー・ピクサー映画『ファインディング・ニモ』ではウミガメのクラッシュが「150歳だけどまだまだ現役さ」と陽気に語りかける。ナショナル ジオグラフィックのドキュメンタリーやNetflixの自然科学シリーズでも、数世紀を生きる亀たちの姿は常に視聴者を惹きつけてやまない。
だが、スクリーンに映し出される雄大な姿とは裏腹に、野生の現実は過酷を極める。世界自然保護基金(WWF)の報告によれば、ふ化したばかりの小亀が成体まで生き残る確率は数千分の一に満たない。鳥や魚による捕食だけでなく、近年はプラスチックゴミの誤飲、砂浜の開発による産卵地の喪失、気候変動に伴う砂温上昇による性比の偏りなど、人為的な脅威が直撃している。
国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストには、多数の陸ガメ・ウミガメが絶滅危惧種として掲載されている。生物学的に「200年生きる力」を持っていても、過酷な環境破壊の前ではその生命力すら無力化してしまう現実がある。