逆立ちで眼圧が2倍に急上昇?緑内障リスクと知られざる目の危険性
逆立ちによって眼圧が上がる理由の根幹にあるのは、上半身および頭部における静脈圧の上昇です。通常、心臓より上にある頭部の血液は重力に従ってスムーズに心臓へ戻ります。しかし逆立ち状態になると血液が頭部に滞留し、頸静脈から眼球の静脈系(上強膜静脈など)へと強いバックプレッシャーがかかります。
眼球内部には「房水(ぼうすい)」と呼ばれる液体が循環しており、この産生と排出のバランスによって眼圧が一定に保たれています。頭部の静脈圧が高まると、房水が眼外へ排出されるルートが塞がれ、眼球内に水分が閉じ込められた状態になります。さらに、眼球の奥にある脈絡膜の血管が拡張して容積が増すため、内側から風船を膨らませるように眼圧が一気に高まるのです。
逆立ち後に目が充血する原因も同じ構造にあります。毛細血管に極度の圧力がかかることで、白目の表面を覆う結膜の血管が拡張・鬱血し、ひどい場合には血管が破れて「結膜下出血」を引き起こします。目が真っ赤に染まる充血は、眼球全体に過大な圧力がかかった危険信号にほかなりません。