年収や学歴の差を超える女性たち 逆転婚がもたらす幸福の真相
女性側の意識がアップデートされる一方で、下方婚の前に立ちはだかる最大の障壁は、依然として根深い男性側の意識と社会の偏見かもしれない。フェミニズムの旗手であり家族社会学の議論を牽引してきた上野千鶴子氏は、日本のジェンダー構造における歪みとして、男性が抱える「無意識のプライド」を繰り返し指摘してきた。
妻が自分より高年収であること、あるいは社会的地位が高いことに対して、男性側が劣等感を抱いたり、周囲からの「ヒモ」「格差婚」という心ない視線に耐えられなくなったりするケースは後を絶たない。家父長制的な呪縛は、女性だけでなく男性をも無意識に縛り続けている。
下方婚が円満に機能しているカップルに共通するのは、男性側が旧来の「男らしさ」の呪縛から脱却している点だ。妻の成功を心から喜び、家事や育児のマネジメントを主体的に担うことを誇りとする――そんな男性の成熟が、新たなパートナーシップを成立させる土台となっている。