『オペラ座の怪人』Think of Me歌詞の真意と難関最高音を解説
声楽的な観点から見ても、「Think of Me」はソプラノ歌手にとってキャリアの試金石となる難曲です。役柄であるクリスティーヌ・ダーエは、純真無垢な少女らしさと圧倒的な声量を併せ持つリリック・ソプラノまたはコロラトゥーラ・ソプラノの音域が求められます。
楽曲の前半は中音域(Dメジャー)を中心とした語りかけるようなフレーズで進行しますが、終盤にかけてキーが上がり、最後にはオーケストラの伴奏が止まるカデンツァ(無伴奏の即興的独唱部)が待ち受けています。ここで要求される最高音は一般的に「ハイC(C6=高いドの音)」前後に達し、版や歌い手によってはさらに上の超高音(ハイE♭など)まで駆け上がる装飾歌唱が披露されます。
ただ高音が出れば良いというわけではなく、前のめりにならずにピアノ(弱音)からクレッシェンドさせ、完璧なピッチ(音程)を保ったままビブラートを美しく響かせる高度なテクニックが必須です。このカデンツァを完璧に決めることで、観客は劇中のパリ・オペラ座の聴衆と同じように、彼女の才能に圧倒されることになります。