拍が入れ替わる快感!メトリックモジュレーションの仕組みと実践術
メトリックモジュレーションの真価を体感するには、名プレイヤーや名バンドが残した音源を紐解くのが近道です。
■ エリオット・カーター:『弦楽四重奏曲第1番』
本技法の原点にして金字塔。各パートが異なる細分化パルスを刻みながら、あるパートのリズムが次の全体の基本テンポへと連鎖していく緻密なスコアは、現代のリズム理論の教科書として世界中の作編曲家に研究され続けています。
■ Tool(トゥール):変拍子と重低音のマス・グルーヴ
グラミー賞受賞バンドであるToolの楽曲群では、ドラマーのダニー・ケアリーがタブラや変拍子ポリリズムを駆使し、楽曲の途中で滑らかにテンポの主軸をすり替えるメトリックモジュレーションを多用しています。緊張感を極限まで引き上げる重厚なアプローチは圧巻です。
■ toe / CHON:マスロックにおける有機的なタイムシフト
日本のマスロック・ポストロックのパイオニアであるtoeや、テクニカル・インストバンドCHONらは、ギターのタッピングフレーズやドラムのゴーストノートの隙間にこの技法を忍ばせています。無機質なテンポ変更ではなく、エモーショナルで美しいメロディの変遷としてテンポを操る職人技が光ります。