契約書の収入印紙は甲乙どちらが割印する?片方だけでも有効な理由と実務
結論から述べると、契約書に貼った収入印紙への押印は、甲乙のどちらか一方のみが行えば法的に全く問題ありません。印紙税法第8条第2項において、課税文書の作成者は「自己又はその代理人、使用人その他の従業者の印章又は署名で消印しなければならない」と定められているためです。
日常会話では「印紙の割印」と呼ばれることが多いですが、税法上の正式名称は「消印(けしいん)」です。消印の目的は「一度使った収入印紙を剥がして再利用(不正使用)することを防止する」点にあります。そのため、印紙と文書用紙の両方にまたがって判読できる印影や署名が一つでも残っていれば、法律が求める再利用防止の要件を完全に満たします。
ビジネス実務では、相手方への配慮や「双方で合意した証」として甲乙連名で消印するケースも見られますが、これは商習慣や礼儀上の選択肢に過ぎません。契約書の作成元があらかじめ自社の印鑑で消印を押した状態で相手方に郵送しても、法律上の不備や過怠税の対象になる心配はありません。