青い光が奪った日常:東海村臨界事故の記録写真が語る被曝の真実
あの日、午前10時35分。核燃料加工会社である株式会社ジェー・シー・オー(JCO)のウラン再転換施設内で、突如として臨界反応が発生した。作業を行っていた大内久氏と篠原理人氏、そして別室にいた作業責任者の視界を一瞬、鮮烈な青い光が染め上げた。放射性物質が放つ電子が水分子の中を光速を超えて通過する際に生じる現象、チェレンコフ光である。
彼らが扱っていたのは、高速増殖炉「常陽」に使われる高濃縮ウラン溶液だった。正規の工程を大幅に簡略化し、漏斗とステンレス製バケツを用いて沈殿槽へ直接溶液を流し込むという、致命的な違法作業が日常化していたのだ。規定量の約7倍に達するウランが注ぎ込まれた瞬間、ウラン溶液は連鎖分裂反応の臨界状態へと突入。警報が鳴り響く間もなく、致死量を遥かに上回る中性子線とガンマ線が作業員たちの全身を貫通した。