ラヴィアンローズに隠された真実と熱狂!名作の裏側を解き明かす
映画における最大の事件は、間違いなくマリオン・コティヤールの変貌ぶりだった。生前のピアフとは似ても似つかない長身の美女が、前髪の生え際を剃り落とし、眉毛を抜き、背中を丸めて晩年の老衰した歌姫そのものへと姿を変えた。特殊メイクの域を遥かに凌駕し、身振り、視線の揺らぎ、指先の震え一つにまでピアフの魂を宿らせた演技は、映画界を震撼させた。
その凄まじい執念は、アメリカの映画芸術科学アカデミーをも動かした。外国語映画の主演女優として、歴史上極めて異例となるアカデミー賞主演女優賞を獲得。フランス語の台詞劇でありながらハリウッドの頂点を射止めたコティヤールの快挙は、世界中の批評家を唸らせ、映画史に燦然と輝く金字塔となった。