日本中央の聖地に眠る信玄の誓い!生島足島神社の全貌と歩き方
静寂に包まれた境内からは想像もつかないが、戦国時代、この神社はまさに血で血を洗う権謀術数の舞台でもあった。境内外の文書館に保管され、文化庁指定の重要文化財として名高いのが、武田信玄が奉納した起請文群である。永禄9年(1566年)から永禄10年(1567年)にかけて、信玄が信濃侵攻の過程で配下の将兵たちに忠誠を誓わせた願文が多数現存している。
これらの起請文には、家臣たちが裏切りを行わない旨の誓詞とともに、神罰の恐ろしさが赤裸々に書き連ねられている。筆跡の生々しさは、四百数十年を経た現在でも見る者の胸に迫る。戦国最強と謳われた騎馬軍団を率いた信玄でさえ、人心の離反を恐れ、この大地の神の絶対的な神威にすがるしかなかった。さらに後の時代、上田城を拠点とした真田昌幸をはじめとする真田一族もまた、この社を篤く保護し社領を寄進した歴史が残る。