山手線の穴場・北大塚が遂げる劇的変貌と新旧カルチャーの深層
「最初は駅前が変わっていくのを見て、街の良さが消えてしまうんじゃないかと不安だったよ」
北大塚で40年以上続くテーラーの店主は、淹れたての緑茶をすすりながら笑う。
「でもね、新しく入ってきた若い店主たちやホテルの人たちが、毎朝挨拶に来てくれるんだ。彼らはこの街の古いところを面白がって、リスペクトしてくれている。昔からの祭りの神輿担ぎにも若い連中が喜んで参加するようになってね。街が若返ったのに、昔より人間関係が温かくなった気さえするよ」
世代交代は摩擦を生むのが都市の常だが、北大塚では奇跡的に「新旧の共犯関係」が成り立っている。古参の商店主が持つ街の記憶と、新参のチャレンジャーが持ち込むフレッシュな視線。その二つが混ざり合うことで、どこにもないコミュニティの引力が生まれている。