神居古潭事件の闇に迫る|名勝に刻まれた悲劇と警察捜査の全貌
近年、この地に新たな光を当てたのが、野田サトルによる大ヒット漫画『ゴールデンカムイ』だ。作中において神居古潭は、激流を利用した息を呑む逃亡劇と戦闘の舞台として描かれ、アイヌの伝説に登場する巨大な魔神(ニッネカムイ)の伝承とともに克明に描写された。作品の人気に伴い、多くのファンが聖地巡礼として旭川市のこの地を訪れるようになった。
しかし、作品が描き出したのは単なる冒険の舞台にとどまらない。自然の圧倒的な猛威に対する畏怖と、人間が足を踏み入れてはならない神聖な領域という二面性だ。観光客が笑顔で記念撮影を行う吊り橋の上で、かつて先住民族が「神の領域」として恐れ敬った激流の咆哮は、今も変わらず鳴り響いている。