神事の儀礼から宇宙へ!折り紙が世界を革新した知られざる真相
20世紀半ば、折り紙を世界共通のアートフォームへと昇華させた巨人が現れる。現代折り紙の父と称される吉澤章である。吉澤は生涯で数万点に及ぶ独創的な作品を生み出しただけでなく、谷折り・山折りを示す矢印や破線を用いた「吉澤・ランドレット方式」の折り図記号を確立した。
言葉の壁を超えて誰もが同じ立体を再現できるこのダイアグラム表記法の誕生により、折り紙のグローバル化は一気に加速する。国内では日本折紙協会が設立され、海を越えてアメリカではOrigamiUSAが組織された。国境なき愛好家コミュニティは急速に拡大し、複雑系折り紙(コンプレックス・オリガミ)という新ジャンルを切り拓いていく。
メディア展開も熱を帯びた。NHKエデュケーショナルによる精緻な解説番組が次世代のクリエイターを刺激し、近年ではNetflixの科学ドキュメンタリーが折り紙構造の美しさと工学的価値を世界中に配信したことで、クリエイティブ表現としての認知は不動のものとなった。