神の手か悪魔のメスか『ドクター アシュラ』禁断の医療サスペンス
日本のドラマ史において、手術室の緊張感を極限まで高めた名作として今なお語り継がれるのが『医龍-Team Medical Dragon』である。ダイナミックなカメラワークと胸を打つ音楽、そして絶対的なチームワークで難手術に挑む高揚感は一時代を築いた。だが本作は、その金字塔が打ち立てたフォーマットをあえて脱構築し、まったく新しい医療サスペンスの地平を切り拓いている。
描かれるのは、統率されたチームの美談ではない。互いの利害が激突し、裏切りと疑心暗鬼が渦巻く手術台のリアルだ。モニターの心電図の警告音が鳴り響く中、登場人物たちの視線が交錯するコンマ数秒の心理戦。息を呑むような沈黙の演出と生々しいメス捌きが、観客の心拍数を否応なく跳ね上げる。