時代を狂わせた魔性の美!葉月里緒奈と表現の深淵に迫る真実の記録
90年代後半の日本のメディア環境は、現在のSNS社会とはまた異なる暴力性を孕んでいた。芸能ジャーナリズムは彼女の一言一句を切り取り、「略奪」「魔性」といった扇情的な見出しで紙面を埋め尽くした。連日自宅を取り囲む無数のカメラ、容赦ないフラッシュの嵐。
しかし、彼女はその狂乱に一度として飲み込まれなかった。涙を流して同情を買うことも、自己弁護に終始することもなかった。沈黙を守るか、あるいはカメラをまっすぐに見据えて毅然と言い放つ。その潔い拒絶の姿勢が、メディア側をさらに苛立たせ、熱狂させた。メディアが作り上げた「危険な女」という記号を、彼女自身はどこか醒めた目で見下ろしていたのではないか。自らの身体を晒す表現を選びながらも、魂の領域だけは誰にも侵食させない。その絶対的な自立心こそが、彼女を凡百のタレントから隔絶させていた本質である。