世界絶賛の書家・金澤翔子!母泰子と紡ぐ祈りの軌跡と最新個展情報
彼女の書道人生は、母である金澤泰子の深い苦悩と決断から幕を開けた。生まれてまもなく娘がダウン症であることを告げられたとき、母の胸を支配したのは先の見えない絶望と、社会からの孤立感だったという。しかし、幼少期に筆を持たせた瞬間、泰子はその小さな手の中に眠る規格外の才能と純粋な生命力を直感した。
転機となったのは十歳のときだ。小学校の普通学級から養護学校への転校を余儀なくされた翔子を励ますため、泰子は涙を呑んで長大な『般若心経』の揮毫を課した。小さな掌で墨をすり、泣きながら、それでも一心不乱に書き上げた二百七十六文字。そこには技術を超えた祈りが刻まれていた。このとき生まれた文字群こそが、現在の彼女を支える原点であり、母娘の強い絆の象徴となったのだ。