世界遺産登録の罠!観光公害と保全コストで悲鳴を上げる地元の苦悩
歴史的価値の保護を第一に掲げるユネスコ(UNESCO)側の要求と、地域振興や観光収益を期待する地元側の思惑には、常に大きな隔たりが存在する。加盟国を代表して調整を担う日本の機関が文化庁だが、現場の悲鳴と国際的基準の間で板挟みになるケースが少なくない。
一度登録されれば、景観を損ねる一切の近代的なインフラ開発が制限される。バリアフリー化の工事や道路の拡幅すら、厳格な審査なしには進められない。地域の利便性向上を目指す住民の願いは、「遺産の価値を損なう」という理由で却下される。守るべきは歴史の遺物なのか、それとも今を生きる人間の暮らしなのか。その矛盾は深まるばかりだ。