しこりを放置するな!希少がん軟部肉腫の早期発見サインと最新治療
手術による完全切除が治療の基本骨格であることに変わりはない。しかし、切除不能例や再発例に対する薬物療法の進化は目覚ましい。ドキソルビシンをはじめとする従来の殺細胞性抗がん剤に加え、腫瘍血管の新生を阻害するマルチキナーゼ阻害薬(パゾパニブ)や、微小管阻害薬(エリブリン)、海洋生物由来のアルキル化薬(トラベクテジン)など、分子標的薬のラインナップが拡充されている。
さらに、日本臨床腫瘍学会などの場でも注目を集める免疫チェックポイント阻害薬の導入が進む。未分化多形肉腫や胞巣状軟部肉腫といった一部の組織型において、免疫療法の有効性が示され始めている。個々の患者が持つ腫瘍の遺伝子変異パターンを解析し、ピンポイントで有効な薬剤を組み合わせるプレシジョン・メディシン(精密化医療)が、肉腫治療の現場に本格的な光をもたらしている。