手塚治虫はケモナーの始祖か?伝説の怪作『バギ』と性癖疑惑の真相
手塚治虫の卓越した擬人化テクニックは、どこから生まれたのか。その最大のルーツは、青年期に浴びるように鑑賞した初期ディズニー映画の影響にあります。
手塚は名作『バンビ』を劇場で50回以上(一説には80回以上)観たと公言しており、動物の骨格の動き、躍動感、そしてキャラクターが見せる感情の機微を完全に体得していました。ディズニーのアニミズム的な世界観に、手塚自身の医学部出身ならではの解剖学的知識が組み合わさったことで、骨格的に破綻のないリアルな肉体美を持つ「獣人」が誕生したのです。
『バンビ』の牝鹿が見せる長いまつ毛や流し目にフェティシズムを見出した手塚は、それを自身の漫画技法へ輸入。『ジャングル大帝』のライヤや『リボンの騎士』に登場する動物たちにも、その流麗なラインと艶めかしい表情付けがそのまま継承されています。