寺島しのぶの息子・尾上眞秀が魅せる伝統の革新と家族の舞台裏
梨園という極めて厳格な伝統社会において、日仏のバックグラウンドを持つ役者の誕生はかつてない出来事だった。母である寺島しのぶは、音羽屋の家に生まれながらも女性ゆえに歌舞伎役者への道を歩むことが叶わなかった過去を持つ。その母の無念と情熱、そして芸に対する妥協なき敬意を一身に受けて育ったのが尾上眞秀である。
2017年の初お目見得から着実に芸の研鑽を重ねてきた彼は、祖父・尾上菊五郎をはじめとする大名跡の薫陶を間近で受けてきた。松竹株式会社が手掛ける格式ある本興行の舞台で、幼い頃から堂々とした名乗りや立ち振る舞いを披露。伝統の重圧に押し潰されることなく、むしろそれを楽しむかのような舞台度胸は、関係者のみならず多くの観客を唸らせてきた。