その痒みはダニかノミか?刺し跡で見分ける皮膚科医推奨の撃退術
室内性の微小なダニやノミとは一線を画し、屋外活動時に生命を脅かすリスクを孕むのがマダニ類だ。国立感染症研究所や厚生労働省が春先から秋口にかけて継続的な警戒を呼びかけている通り、マダニは重篤な人獣共通感染症を媒介する。
特に警戒すべきは、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や日本紅斑熱、ライム病だ。SFTSは発熱や消化器症状を引き起こし、致死率は10〜30%に達する。草むらや山林に生息するマダニは、数ミリメートルから吸血後には小豆大(1センチメートル以上)へと膨張するまで数日間にわたり皮膚に強固に固着する。
皮膚科学および感染症対策の現場では、皮膚に噛みついているマダニを無理に指やピンセットで引き抜く行為は厳禁とされている。無理に引っ張ると、マダニの口器(鋸歯状の突起)が皮膚内に破折して残り、異物肉芽腫を形成したり、体液を圧迫して病原体を体内に逆流させたりする危険があるためだ。マダニを発見した場合は、速やかに皮膚科や外科を受診し、専用の器具を用いた外科的切除や局所麻酔下での適切な処置を受ける必要がある。