ストロング缶消滅の危機か?大手撤退と厚労省指針が変える酒の未来
各社の対応は分かれている。市場の絶対王者として君臨してきた「-196℃ ストロングゼロ」を擁するサントリーホールディングスは、ブランドの持つ圧倒的な認知度を保ちながらも、ポートフォリオの再編を迫られている。同社の新浪剛史社長は、経済同友会の代表幹事としても健康経営や持続可能な社会づくりを提唱する立場にある。収益の柱であるロングセラーを守りつつ、果汁感を前面に押し出した無糖シリーズや低アルコールへのシフトを進める手腕には、業界内外から厳しい視線と期待が注がれている。
一方、「氷結ストロング」で確固たるファン層を持つキリンホールディングスもまた、単純な全面撤退ではなく、消費者への適正飲酒の啓発とブランドの再定義に腐心してきた。両社ともに高アルコールの需要が根強く残る現実を認めつつも、主力ラインナップの度数を7%や5%、さらには無糖チューハイへとシフトさせ、主戦場のグラデーションを巧みに塗り替えようとしている。背に腹は代えられないビジネスの論理と、企業倫理の狭間での葛藤がそこにある。