庭を荒らす影の正体は?タヌキとアライグマの決定的な見分け方
日本人の脳裏に刻まれた両者のイメージは、奇妙なほどフィクションとねじれの位置にある。1970年代後半に放映された『あらいぐまラスカル(日本アニメーション作品)』は空前のアライグマブームを巻き起こし、年間数千頭もの個体がペットとして輸入される契機となった。だが、成長とともに気性が荒くなる野生動物の宿命から飼育放棄が相次ぎ、それらが野に放たれて定着した歴史がある。
一方で、スタジオジブリの名作『平成狸合戦ぽんぽこ(スタジオジブリ作品)』に描かれたように、古来の民話やアニメーションの中のタヌキは、どこか間の抜けた愛嬌あるトリックスターとして愛されてきた。しかし皮肉なことに、作中でデフォルメされたタヌキの黒い目袋や縞模様のない尾の描写と、実際の野生動物の姿が混同され、一般市民の識別眼を狂わせる一因にもなった。
『ざんねんないきもの事典』シリーズなどで知られる今泉忠明(動物学者・監修者)は、メディアが形成した親しみやすさが初動の警戒心を鈍らせていると警鐘を鳴らす。アニメで親しまれたラスカルの可愛らしいイメージとは裏腹に、現在市街地で猛威を振るう個体は極めて獰猛であり、安易な接触は怪我や感染症のリスクを伴う。