退職金がない会社で生き残る!老後格差を覆す逆転の資産防衛術
なぜ企業は退職金制度を導入しないのか。人事労務管理の現場からは、切実な本音と経営上のリスクヘッジが聞こえてくる。
中小企業向けには、独立行政法人勤労者退職金共済機構が運営する「中小企業退職金共済事業本部(中退共)」をはじめとする公的な共済制度が存在する。掛金の一部を国が助成する仕組みがあるにもかかわらず、毎月の掛金負担や一度導入した制度の引き下げ(不利益変更)の困難さを嫌気する経営者は多い。
「一度制度を設けると、業績が悪化しても簡単には減額できない」。これが経営陣の最大の懸念だ。結果として、入社前の求人票には「基本給高め」と記載しながら、退職金規程をあえて設けない人事戦略を採る企業が定着した。働く側は、提示された年収の額面だけに惑わされず、福利厚生の裏側にある「生涯受け取れるトータルリターン」を冷静に逆算しなければならない。