ウィンカーを出さない街の真相:岡山ルールに潜む罠と警察の逆襲
この根深い悪習に対して、行政のトップも強い危機感を表明してきた。伊原木隆太知事は定例会見や啓発イベントの場で幾度となく交通マナーの抜本的改善を訴え、県内全域での意識改革キャンペーンを推進している。観光立県を目指し、瀬戸内エリアへのインバウンドや移住者を呼び込む上で、「運転が荒くて危険な街」という悪評は致命的な打撃となるからだ。
一方で、物流や旅客を支える自動車交通産業の現場からは複雑な声が漏れる。中四国の交通結節点として機能する岡山には、日々無数の長距離トラックや配送車が行き交う。時間通りの運行を求められるプロドライバーたちが、一般車の予測不能な急な車線変更に神経をすり減らしている現実は重い。
地元運送会社の運行管理者は「自社のトラックにはドライブレコーダーとテレマティクスを完全配備し、合図の徹底を指導しているが、周りの一般車が無合図で鼻先をかすめていく。いくらこちらが気をつけても防ぎきれないヒヤリハットが日常茶飯事だ」と険しい表情で語る。