線虫でがん早期発見?Nノーズの最新精度と自宅検査のリアル費用
この画期的な手法の開発を牽引したのが、九州大学助教などを歴任した研究者の広津崇亮氏である。同氏が創業した株式会社広津バイオサイエンスは、基礎研究の成果を迅速に社会実装へと結びつけた。大学の研究室で生まれたアイデアが短期間で事業化され、全国規模で展開されたプロセスは、日本のバイオテクノロジー産業における重要なエポックメイキングとなった。
同社は長年にわたり、シー・エレガンス(C. elegans)の神経系と行動パターンの解析を重ねてきた。従来の非常に高額な化学分析機器に依存するのではなく、生物そのものが備える高度な感覚機能をセンサーとして利用する発想は、国際的な研究コミュニティでも大きな議論を呼んだ。予防医療・スクリーニング領域における低コストかつ大量処理可能な基盤技術として、同社の存在感は揺るぎないものとなっている。