現代に残る激痛の代償、鞭打ちの刑が暴く法廷の裏側と残酷な実態
東南アジアの法制度とはまた異なる文脈で鞭打ちを用いているのが、イスラム法(シャリーア)を導入している地域だ。インドネシアのアチェ州や中東の一部地域では、宗教的規範への違反に対する矯正として鞭打ちが行われる。
飲酒、賭博、不倫、同性愛行為などがその対象となる。シンガポールのような閉鎖空間での打撃とは異なり、モスクの広場などで公衆の面前で執行されるケースが目立つ。ここでの目的は肉体的な破壊以上に、地域社会に対する見せしめと受刑者に与える社会的羞恥心にある。
執行者は全身をローブで覆い、杖を振り上げる高さも肩より上に上げないといった宗教法上の細かな規定が存在する。流血を目的としない形式的な打撃であっても、群衆の前で跪かされ、背中に鞭を受ける屈辱は受刑者の人生に消えない烙印を押す。