【現地ルポ】宇都宮で街路樹が相次ぎ倒壊—激甚化する気候変動と都市インフラの盲点を突く「見えない脅威」
倒木事故の真の恐ろしさは、危険な樹木が「一見すると健康そうに見える」点にある。高度経済成長期から昭和後期にかけて全国の都市に一斉に植樹された街路樹は、現在樹齢50年から70年を迎え、人間で言えば高齢期に差し掛かっている。
排気ガスや舗装道路による根の生長阻害、剪定時の傷口から侵入する木材腐朽菌。これらが長年にわたり樹木の内部を少しずつむしばむ。外皮はしっかりと残っているため、通行人が危険を察知することはほぼ不可能だ。専門家は「見かけの青葉に騙されてはいけない。幹の内部がスカスカになった状態で強い風を受ければ、ポキリと折れるのは物理的な必然だ」と指摘する。