「やばい」の意味の変遷を解剖!江戸語源から現代のアニメ流行語まで
なぜ、若者はこれほどまでに特定の言葉へ感情を集約させるのか。日本語学の第一人者である金田一秀穂氏は、言葉の意味変化における人間の感情エネルギーの大きさを指摘する。感情が高ぶった際、既存の行儀良い言葉ではその溢れる熱量を到底表現しきれない。結果として、最もインパクトが強く、刺激的な単語が感情の容器として引っ張り出されるのだ。
金田一氏の視点を借りれば、「やばい」は極めて高効率なコミュニケーションツールである。文脈や声のトーン、表情という非言語情報を伴うことで、「感動」「驚嘆」「焦燥」「恐怖」の全色彩を一瞬で相手に伝える。若者言葉の乱れと切り捨てるのは容易だが、むしろ言語が持つ柔軟性と、文脈依存度が高い日本語学的な特質が最大限に発揮された構造と言える。