一夫多妻制は日本で成立するのか?合法国の実態と重婚罪の壁を徹底解説
世界に目を向けると、一夫多妻制を法的に容認している国は決して少数派ではありません。中東諸国(サウジアラビア、UAE、カタールなど)や北アフリカ、西アフリカ(マリ、ニジェール、セネガルなど)、南アジアの一部の国々を含め、世界で約50カ国が一夫多妻婚を法的に認めています。
イスラム法(シャリーア)を法規範の基礎とする国家では、聖典コーランの教えに基づき、男性は最大4人までの妻を娶ることが認められています。しかし、無制限に妻を増やせるわけではありません。男性側には極めて厳しい宗教的・経済的義務が課されています。
コーランには「もし公平にしてやれない恐れがあるなら、ただ1人だけにせよ」という一節があり、夫はすべての妻に対して衣食住、財産分与、さらには夜を過ごす日数に至るまで、完全な平等(公平性)を保たなければなりません。一人の妻に高価な住居や装身具を買い与えれば、他の妻にも同等の経済的処遇を用意することが法的に義務づけられます。
経済的な負担が極めて重いため、合法とされる国々であっても実際に複数の妻を持つ男性の割合は決して高くありません。多くの中東都市部における一夫多妻世帯の割合は数パーセントから5%未満にとどまるのが実情です。一夫多妻制は「誰もが気軽に選べる婚姻形態」ではなく、莫大な財力と高い調整力を持つごく一部の富裕層や伝統的有力者に限られた特権的な慣習となっています。