幼少期の環境が生涯を決める?最新脳科学が解明する「三つ子の魂」
脳科学が可視化技術を手にする遥か以前から、人間発達の本質を見抜いていた先駆者たちがいた。スイスの心理学者ジャン・ピアジェは、子どもが外界を理解するプロセスを緻密に観察し、感覚運動期と呼ばれる乳幼児期の体験が論理的思考や概念形成の絶対的な基礎になると提唱した。ピアジェの観察は、現代の機能的磁気共鳴画像法(fMRI)による研究でもその正当性が裏付けられている。
一方、精神分析家エリク・H・エリクソンは、人生における発達課題を段階的に提示し、乳児期の「基本的信頼 vs 不信」の獲得が、その後の人間関係すべてのレンズになると主張した。親や養育者との間で作られる最初の信頼感が崩れると、成長後の世界に対する基本的安心感が揺らぐ。エリク・H・エリクソンが描き出したこの葛藤の構図は、現代の発達心理学においても、子どもの精神的レジリエンスを測るインフラとして欠かせない視点であり続けている。