宇宙飛行士・毛利衛の告白!Sts47の裏側と月面探査の真相
「宇宙からは国境線は見えませんでした」――帰還後に毛利氏が残したこの象徴的なフレーズは、平和と地球愛のメッセージとして瞬く間に世界中に広まった。だが、この言葉は単なる詩的な感想ではない。
元来、物質科学者として北海道大学で教鞭を執り、真空や薄膜形成の物理を追究していた毛利氏にとって、軌道上から見た地球の大気層は「あまりにも薄く、危うい皮膜」に過ぎなかった。宇宙の絶対的な真空と放射線から生命を守る大気の繊細さを肉眼で捉えたとき、湧き上がったのは感動以上に、強烈な危機感だったという。
科学の客観性と人間としての根源的な感情。その二つの狭間で揺れ動いた経験が、のちに彼を環境問題や科学コミュニケーションの旗手へと押し上げる原動力となった。