源氏物語の聖地・野宮神社へ!良縁と苔庭が紡ぐ嵐山隠れ名所の秘密
境内の入口でひときわ異彩を放つのが、樹皮がついたままのマクワノキを用いた「黒木鳥居」だ。日本最古の鳥居様式を今日に伝えるこの建造物は、全国の神社を包括する神社本庁の管轄下にあっても、他に類を見ない極めて原始的かつ荘厳な形態を留めている。木肌のゴツゴツとした質感が、古代から続く神聖な祈りの原風景を想起させる。
その鳥居をくぐり奥へ進むと、青々とした苔が絨毯のように広がる「じゅうたん苔」の庭園が現れる。嵯峨野の湿潤な気候と豊かな自然が育んだこの庭は、季節や光の射し込み方によって刻一刻と表情を変える。緑のグラデーションが魅せる圧倒的な美しさは、訪れる者の時を止め、深遠な世界へと誘う。