伝説の狼板が暴き出したアイドル産業の裏側とネット文化の真相
株式会社アップフロントグループおよびアップフロントプロモーションと、狼板の住人たちとの間には、奇妙な緊張感と一種の共犯関係が存在していた。事務所側が掲示板の世論を少なからず意識していたことは、当時の様々な施策や演出のタイミングからも窺い知ることができる。
コンサートのセットリストに対する不満や、新メンバー加入に対する賛否両論は、即座に巨大なスレッドとなって可視化された。運営側にとっても、それはマーケティングリサーチの生データそのものだったのだ。ファンが仕掛ける言論の波を事務所が受け止め、時にそれを裏切るサプライズで返す。この水面下の攻防戦こそが、当時のアイドル産業における熱狂の起爆剤であった。