伝説の組織「大久保一家」の興亡史!裏社会に遺した爪痕と真相
日本の裏社会を半世紀以上にわたって定点観測し続けてきたノンフィクション作家の溝口敦は、暴力団の本質を「暴力を用いた経済活動集団」と看破した。1992年の暴力団対策法の施行以降、伝統的な一家制度を拠り所としていた組織群は、その屋台骨を音を立てて崩していった。
かつて博奕の場を開き、地域の顔役として君臨していたスタイルは法的に完全包囲され、資金源は急速に枯渇。警察当局による徹底的な締め付けとマネーロンダリング対策の強化は、組織の再生産を不可能にした。溝口が数々の著作で指摘してきた通り、伝統的な一家の看板は、経済的合理性の前に無力化していったのである。大久保一家が辿った軌跡もまた、この構造的衰退のプロセスと完全に軌を一にしている。