昭和の大女優・山田五十鈴の生涯|娘・瑳峨三智子との愛憎と真実
演劇界・映画界に対する長年の卓越した貢献が評価され、山田五十鈴は2000年に女優として史上初となる文化勲章を受章しました。名実ともに日本芸能界の最高峰へと昇り詰めた瞬間でした。
彼女のプライベートを語る上で欠かせないのが、長年にわたる帝国ホテルでの長期滞在生活です。自宅を持たず、ホテルの行き届いたサービスの中で芸と稽古に全神経を集中させるその生活スタイルは、まさに浮世離れした大女優の真骨頂でした。派手な財産形成や私財の蓄積には執着せず、得た収入の多くを着物や舞台衣装、芸の追求へと惜しみなく投じていたと伝えられています。
2000年代に入り体調を崩して以降は療養生活に入り、表舞台から静かに身を引きました。そして2012年(平成24年)7月9日、多臓器不全のため都内の病院で逝去(享年95)。莫大な遺産争いのような俗世の騒動を残すこともなく、芸にすべてを捧げ尽くした潔い幕引きでした。